2005/03/05

トヨタ自動車、フジテレビによるニッポン放送株の公開買い付けに応じず

報道によると、トヨタ自動車は、フジテレビによるニッポン放送株の公開買い付けに応じないことにしたらしい。理由は、公開買い付け(TOB)価格(5950円)が市場価格(4日終値6500円)を下回っているため。
これまで何社かが、TOBに応じることを表明してきたが、上記の点から、株主にどうやって説明するのだろうと思っていた。そういう意味でトヨタの説明はとてもわかりやすい。
むしろ、TOBに応じると判断するのなら、上記の理由から、5950円の指値で全株売りに出してみて、未約定分の株券についてだけTOBに応じるというのが、筋のように思う。もっとも市場では、その指値売りをライブドアが買い集めるのだろうが。
ちなみに、今回の件について、個人的考えは、以下のとおり。

  • そもそも、時間外取引ってのは、本当は相対取引でやりたいけれど、市場取引ということにしないと、利益供与が疑われる可能性が高いので、仕方なく使う制度だと思っている。だから、時間外取引なのに、事前に売買を申し合わせていたというのは、今まで当たり前に行われていたのではと考えている。これを問題にしたら、これまでの時間外取引のうち他のいくつかも問題になると思う。時間外取引を規制するのではなく、時間外取引をやめて、すべて時間内に取引すればいいのにと思う。
  • 増資というのは、お金が必要になったときに行うもの。お金が要らないときには行う必要がない。もし本当にお金が必要ならば、既存株主の権利を尊重して、新株引受権ではなく、新株発行で行うべきだと思う。そんな金はフジテレビにはないのでしょうが。
  • ニッポン放送は有楽町/日比谷駅前に新社屋を建てて、お台場から引っ越したばかり。金が必要なら、もっと早くに調達しているべきだ。
  • 企業イメージとしては、America Online(AOL)が、タイムワーナーを買収したときと似た構図の気がする。また、ソフトバンクの通信企業買収も、敵対的ではないという点を除いて少し似てるかな。

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