2004/10/27

Cingularと AT&T Wirelessの合併

CingularとAT&T Wirelessの合併にFCC(米国連邦通信委員会)とDOJ(米国司法省)の承認が条件付で得られたようです。
FCCのホームページにある2004/10/26付けの発表によると、
1. これまで行ってきたCingularのカリフォルニア州(ほぼ全域)、ネバダ州(ラスベガス)におけるネットワークのT-Mobile顧客の利用、およびT-MobileのニューヨークにおけるネットワークのCingular顧客の利用について、この提携を解消すること。
2. ノースカロライナ州とジョージア州においてTriton PCSとの帯域交換を行うこと。
の大きく二つの条件付で合併が承認されたようです。
# その他、一部地域での帯域剥奪等も条件になっています。
1.は、ネットワークを持っていなかった地域において、顧客の獲得が行えるように、提携を行っていたものです。具体的には、T-Mobileは、米国西海岸(上述のカリフォルニア州等)にネットワークを持っていないのですが、この地域でも顧客の獲得を行うために、Cingularの網を使って、サービスをしていました。また、Cingularも、ニューヨークにおける顧客獲得のために、T-Mobileの網を使っていました。もちろん、これらの地域を抜けたときには、それぞれの事業者自身が持っている網を利用して(契約によっては域外利用料を払って)、あるいは他事業者の網に利用料金を払って利用できます。
ところが、今回、CingularがAT&T Wirelessを吸収することにより、Cingularは、ニューヨークにおける網を獲得します。そのため、この提携がCingularとしては、意味を失います。そこで、Cingularが西海岸で利用している網を1億8千万ドルで買収し、また共同事業で得た利益のCingular分23億ドルをCingularへ支払い、T-Mobileの100%配下とするそうです(FCC 04-255 pp.17の32)。また、Cingularのこれらの地区の顧客がいる移行期間中は、T-MobileはCingularにこれらの網を貸すように求めています。
これにより、GSMにおいては、CingularとT-Mobileの競争、また、Verizon WirelessとSprint PCSのcdmaOne陣営との競争になっていくことになるのでしょうか。

1 件のコメント:

  1. AT&T Wirelessから、Cingularへ、そしてAT&Tへ。

    iPhoneのニュースによると、iPhoneを使うには、AT&Tとの契約が必要だ...

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