2004年8月6日に、総務省から、「800MHz帯におけるIMT-2000周波数の割当方針案
についての意見募集」なるリリースが出ています。
いろいろ書いてありますが、どうやら、今までさまざまな移動無線通信に用いてきた800MHz帯を、携帯電話とMCA陸上移動通信(MCAとJSMR)のみが使う形にしたいようです。
この周波数帯を用いている他の用途については、立ち退きの準備ができているようで、2MHz*2を使っている空港MCAは400MHz帯へ、4MHz*2を使っている地域防災無線については、260MHz帯へ移動するようにし、この帯域を携帯電話とMCA陸上移動通信で占有するようです。
また、MCA陸上移動通信については、デジタル化による周波数有効利用により、従来の14MHz*2の帯域を10MHz*2に減らすそうです。さらに将来的には後述の700/900MHz帯に移行することにしたいようてす。
で、結果として、810MHzから850MHz、860MHzから903MHz、915MHzから958MHzの帯域が未使用となり(850MHzから860MHzと、905MHzから915MHzはMCA陸上移動通信で継続利用)、そのうち815MHzから850MHzを新たな携帯電話の上り、860MHzから895MHzを下りとして利用するようにするようです(以下新たな800MHz帯と表記)。
残った帯域のうち、905MHzから958MHzまでは、現在テレビで用いている715MHzから768MHz(UHF 53chから62ch)と対で、700/900MHz帯とし、地上アナログテレビ放送終了後、新たな移動通信システムに割り当てるようです。なお、950MHzから956MHzは、日経コミュニケーション2004/8/15によると、UHF帯無線ICタグに割り当て予定だそうです。
で、この新たな800MHz帯を、諸外国の800MHz携帯電話で利用している周波数と比較してみました。大きく分けて、北米を中心に用いられているAMPS(IS-95,GSM850)の周波数と、ヨーロッパをメインに用いられているGSM900/E-GSMの帯域の二種類があります。
このうち、GSM900/E-GSMは、上り880MHzから915MHz、下り925MHzから960MHzを(このうち上25MHz*2がGSM900、下10MHz*2が追加バンドであるE-GSMで)用いています。この周波数は、上記700/900MHz帯と衝突するため、今後も日本において同様の割り当てをすることはなさそうです。
一方AMPSは、上り824MHZから849MHz、下り869MHzから894MHzを用いています。これは、上述の新たな800MHz帯と矛盾しないため、うまくすれば、AMPS帯域を用いてサービスしている国とは、携帯電話機そのままで相互利用が可能になります。つまり、日本の携帯電話をアメリカに持っていってそのまま利用できる可能性が高い割り当てになるのです。
これまで、日本は、諸外国とまったく異なる周波数割り当てをしており、また方式がまったく違ったため、電話の持ち出しをしても使えませんでした。でも、これからは、1.9GHz帯の割り当てがほぼ世界統一になり、また今回の800MHz帯でも一部統一されれば、携帯電話をそのまま持ち出せる可能性が高くなり、便利になりそうです。
どうなる800MHz帯
返信削除8/6、郵政省が800MHz帯におけるIMT-2000周波数の割当方針案についての意見募集をはじめた。ざっくり言うとこう...。 IMT-2000、つまり3G携帯電話サービスに800MHz帯に周波数を割り当ててあげたい。でも、そこは、KDDIの1xやDoCoMoのPDCが依然として残っている帯域、他...
1.7GHz帯と、DCS
返信削除報道によると、DoCoMoとvodafoneが、1.7GHz帯取得に意欲を示したとのことです。 1.7GHz帯について、調べてみると、1710から1880MHzまでの周波数帯をさしているようです。で、そのうち15MHzx2程度の周波数帯を2006年度から携帯電話に利用できるようになるそうです。 で、こ...